@stormcat24 です。Developer Productivity室(DP室)はこれまでソフトウェアデリバリーの分野に注力して開発者や事業開発を支援する活動を行ってきましたが、最近の生成AIの台頭を受けて、少し領域を広げつつあります。今後は生成AIを活用した生産性や開発者体験の向上に取り組んでいく予定です。

まだ組織として生成AIを活用した何かを作ったというような成果があるわけではなく、生成AI関連のリサーチや開発プロセスの変革の可能性を模索している段階ですが、所々で様々なTipsや使い所があるとわかってきました。

本記事ではNotion AIを簡単に紹介しますが、ドキュメンテーションを書くことが苦手な方はもちろん、情報共有や認知不可軽減にあり方について日々思考されている方にも活用できるかと思います。

ドキュメンテーションの校正をお願いする

質の高いドキュメンテーションにはその内容もさることながら、誤字脱字の無さ、文章の簡潔さなどが問われます。

校正の題材として、@stormcat24の拙著である「Docker/Kubernetes実践コンテナ開発入門」の一節を活用します。敢えてtypoなどを混ぜ込んだ状態に改変し、これをNotion AIに校正してもらいます。

校正前本文

Notionで記述した校正前本文は以下の通りです。赤字になっている箇所がわざとtypoしたところです。ちょっとわざとらしい感じは否めませんが、これを「Improve writing」にかけてみましょう。

校正後本文

「Improve writing」で校正をかけた結果が次の通りです。青字が期待通りに修正できた箇所、黄色が若干ニュアンスが違ったところです。ほとんど違和感なく読めるかと思います。

テイストを変更

また、ドキュメンテーションのテイストを以下のように変更することも可能です。「カジュアル」にすると、Yoとか言い始めたYo。

このように、ドキュメンテーションの品質向上のために十分使えるレベルだとわかりました。

既存の記事を要約してもらう

先述のように、体裁の良いドキュメンテーションを書くばかりでは無いかと思います。例えば参考になる記事を集めてきて、自分なりのメモにするといった使い方もあるでしょう。

このようなケースではリンクだけペタペタ貼るということもしばしばあるかと思います。自分でも何故貼ったのかを後からわからなくなるかもしれませんし、第三者の読み手にとってはリンクだけ貼られても要点がわかりません。リンク先に飛んで、自分で理解しなくてはなりません。

このようなケースでは、外部記事のURLを渡すだけでその内容を要約してくれます。

メモ書きやリンク集用途でも活用でき、認知負荷の軽減に活用できます。

箇条書きをブログにしてもらう

知見を箇条書きにしておくことは簡単ですが、これをブログ記事としてしあげるとなるとハードルが高くなる方も多いかと思います。

Notion AIの有料機能ですが、「Draft with AI」の「Blog post」という機能があります。これを使うと箇条書きの内容を英語ですが記事っぽくしてくれます。

Notion AIには翻訳機能もあるため、この英語の記事を日本語に翻訳すれば以下のようにそれなりの記事ができあがります。

多少表現が気になったりする箇所はありますが、そこはお好みで修正すれば良いでしょう。

Chromeエクステンション

Notion AIには「Notion AI Anywhere」というChromeのエクステンションがあります。これをインストールして、Notion AIが利用可能なワークスペースを設定すればブラウザ上でもNotion AIのサポートを得ることができます。

Notion AI Anywhere
notion-ai-anywhere

ドキュメンテーションのCopilotとして

生成AIツールが我々の開発体験にポジティブな影響を生み出しつつあります。ChatGPTやGitHub Copilotは、完璧な成果物を期待できるわけではありませんが、開発者にとっては良き伴走者であり、1人でもペアプロのような体験を享受できるようになりました。

XXCopilotの流れは今後も続くと見られ、ドキュメンテーションの分野も例外ではありません。Notion AIは選択肢の1つですが、生成AIを活用したドキュメンテーション技術というのも開発者体験向上に必要不可欠な要素になりそうです。